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2021.7.25

相続土地国庫帰属法

令和3年4月21日の国会で「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が可決成立しました。

具体的な施行日は決まっていませんが、公布日である令和3年4月28日から2年以内に始まる予定です。

 

これまでは、田舎の土地などを相続した場合、売却もできず国や地方公共団体も引き取ってもらうこともできずに困ってしまう相続人の方がたくさんいました。

この法律が施行されると、相続で取得した不要な土地を国庫に帰属させることができるようになります。

手続としては、法務局に対して添付書類や審査料の納付を行い、承認申請を為し、承認されると当該土地が国庫に帰属されることとなります。尚、無事承認された場合は10年分の管理料を納付する必要があります。

但し、この手続きを利用するためには、以下の要件に1つも該当しないという高いハードルがあります。

  1. 建物が存在する土地
  2. 担保権や用益権が設定されている土地
  3. 通路など他人によって使用されている土地
  4. 土壌汚染がある土地
  5. 境界不明など権利関係に争いがある土地
  6. 管理するのに過分の費用・労力を要する崖がある土地
  7. 車両・樹木・工作物などが地上に存在する土地
  8. 除去が必要な埋設物が地下に存在する土地
  9. 隣地所有者と争訟をしなければ使えない土地
  10. 以上に定めるほか管理するのに過分の費用・労力を要する土地

現在、国庫に帰属させたい不要な土地をお持ちの方は、この要件をクリアできるか確認する必要がありそうです。

寺﨑祐介

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