アシスト合同事務所

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2017.8.28

敗戦は悲惨

今年の夏も戦争中のドキュメンタリーなどが特別番組として放送されていました。

出張中にたまたま見たのが満州で取り残された開拓団のお話でした。

その集落では、中国人の略奪に苦しみ、もうみんなで自決するしかないというところまで話がまとまりかけたのですが、南下してきたロシア軍に町の警備を頼むことにしました。しかし、ロシア軍はその見返りとして、女性を求めたのです。村では、村の娘を差し出すぐらいなら、みんなで自決しようとまた話はまとまりかけるのですが、生きて帰ってこそ人生の意味があり、自殺するのはあまりにも情けない。ということで、村の18歳以上の未婚の女性に村のためにとお願いしてロシア人の相手をさせたそうなのです。

戦争に負けるというのはどんな悲惨で情けない目にあうのかと、ショックを受けました。

その後、なんとか日本に帰り着いた人達は、故郷に戻ります。しかし、その人たちに居場所はありません。満州帰りとして差別され、耕す土地もなく、何とか帰り着いた日本でも悲惨な暮らしが待っていたのです。

満州帰りの村人たちは、せっかく生きて帰ってこれたのだからと、元からいる村人が見向きもしないような荒れ地を耕し始めます。また、満州での暗い記憶を引きづったまま、そのことには口を閉ざし、黙々と生活し続けたのです。その後、ようやく人並みの暮らしができるようになり、とても立派な家も建て、幸せな暮らしがやっとみんなに訪れます。

そんな、幸せな暮らしが、手に入って人生の終わりが近づいたころに、その当時満州でつらい目にあった女性の一人が、過去の暗い記憶を語り始めます。もちろん周りの人たちは何でいまさらという反応でした。みんな、もう忘れてしまいたいつらい記憶だったからです。

しかし、その女性がその当時のことを話し始めてくれたおかげで、知られざる悲惨な満州引き揚げ当時の出来事を知ることができました。

なお、その後、その女性の行動に共感して、一人また一人と当時のことを話し始める女性が出てきたそうです。

1時間ほどのドキュメンタリーだったのですが、見終わった後は、とてもつらくて、たまりませんでした。

 

 

高橋 淳

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高橋 淳