各役所には行政相談や法律相談の窓口が設けられており、日常生活で起きる様々な問題を無料相談できます。
相続に関する相談も受け付けているので、相続手続きについて何か悩みがあれば、利用してみることで、解決の近道になることもあるかと思います。
しかし、弁護士や司法書士への直接相談とは事情が異なるため、デメリットなどを理解した上でご利用いただく必要があります。
そこで今回は、役所で行われる無料の相続相談についてのメリット・デメリットをいくつか紹介したいと思います。
【メリット】
・費用面、精神面での負担が少ない
無料相談であることや、普段から利用している役所を利用することで、気軽に利用しやすくなっている。
【デメリット】
・時間や回数が制限されている
1回の相談は30分以内、同じ内容の相談は2回までなど、時間や回数に制限が設けられていることがほどんどです。
相談内容を簡潔にまとめておかなければ、相談内容の整理だけで時間が経過し、最善のアドバイスを受ける前に制限時間が終了してしまうといったことも珍しくありません。
役所の無料相談であることから、平日の決まった時間でしか利用できないなどの制限も発生してしまいます。
・二度手間になることがある
無料相談で対応してくれた専門家に業務依頼はできないので、根本的な問題解決は法律事務所へ直接相談しなければならず、二度手間にもなってしまうことがあります。
また、担当者が変われば問題の解決方針も変わってしまうケースがあるため、どのアドバイスが最善策なのかわからなくなるなどの問題も発生してしまうこともあります。
反対に、専門家に直接相談をすれば、費用は発生しますが、そのまま業務の依頼し、面倒な書類作成、煩わしい手続きを代行してもらうことにより、スムーズに相続手続きを完了させることも可能です。
このように、役所の無料相談を利用することにも、専門家に手続きを依頼することにもメリット・デメリットが存在します。
無料という言葉は、非常に魅力的ではありますが、ご自身にあった相続のお悩みを解決する最善の方法は何なのか、そういったことを念頭に置いて、役所の無料相談、専門家への依頼を検討してみてください。
11月11日(月)~17日(日)は「税を考える週間」です。
全国各地で色々なイベントが行われており、大阪府でも税に関する啓発イベントとして、参加者にオリジナルグッズがプレゼントされる税金クイズ等が実施されています。
すでに終わっている場所もありますが、詳しい開催場所は大阪府のHP検索に掲載されていますので検索してみてください。
自筆で書いた遺言書は、紛失や改ざんなどのリスクがあります。
そのリスクを無くすために、法務局で遺言書を預かってくれる制度があります。
この制度を利用すると、遺言書の紛失・改ざんのリスクがなくなる他、亡くなった後に家庭裁判所で行われる遺言書の検認手続きが不要になるなど、多くのメリットがあります。
通知人の指定をしておけば、法務局が遺言者の死亡の事実を確認した時点で、通知人にその事実を通知することも可能です。
遺言書の作成を考えておられる方は、ご一考されてみてはいかがでしょうか。
近年、クマに襲われた事件をニュースで見ることが増えました。
大阪市内で遭遇することはないでしょうが、JAFの会報に掲載されていたので、ご参考までに。
『もしクマとの事故を起こしてしまったら、車と衝突してもクマはすぐに死ぬことはまれなので、動かないからと様子を見に近寄ると急に反撃されることがあるので絶対ダメ。衝突後は車を道路の左に寄せて停止し、すべての窓を完全に締め(少しでも開いていたらクマは爪をひっかけて窓を壊す)、ワイパー、クラクション、パッシングでクマの攻撃から身を守るようにする。
窓を締めて車内にとどまり、落ち着いたら警察や自治体に連絡し、目撃情報を伝えるように』と書かれていました。
自筆証書遺言の作成に当たり、必ず守らなければならない要件は以下のとおりです。
「遺言書保管制度」を利用する場合は、別途ルールがありますので、法務省のHPをご確認ください。
クレジットカードの発行や、ローンの審査の際によく耳にする『信用情報』というワード
この信用情報とは、果たして何に対する情報なのか、何に対する信用なのか、よく分からないまま聞き流している方も多いと思います。
ここでは、『信用情報』と呼ばれるものについて、どういったものがそれに該当するかなどをご紹介したいと思います。
まず、『信用情報』とは、個人の返済または支払能力に関する情報のことを言います。
大きく下記の3つに分類にされ、これらの総称を『信用情報』と呼びます。
①個人を特定・識別するための情報:氏名、生年月日、性別、電話番号、住所、勤務先など
②契約に関する情報:契約内容、契約終了日、支払回数・限度額など
③支払に関する情報:請求額・残債額・返済状況など
これらの情報は、信用情報機関において管理・提供され、その情報をもとに各カード会社などが、クレジットカードの発行やローンの審査を行います。
また、勘違いされやすいですが、信用情報機関とはクレジットカードの発行やローンの審査をする機関ではありません。(あくまでも情報を管理・提供する機関となります。)
相続のお手続きにおいて、お亡くなりなった方(被相続人)がカードローンなどをご利用している際には、相続財産・債務を確認する意味でも、信用情報機関への照会・調査が必要になる場合もあります。
相続財産・債務が把握出来ない相続のお手続きは、複雑になるケースが多いです。
そんな時は一度、お近くの専門家に意見を求めてみるもの良いかもしれません。
故人が不動産を所有していた場合、その不動産は相続の対象となります。
どこにどのような不動産を持っているのか確認するときは、毎年役所から送られてくる固定資産税の課税明細書を確認するか、お手持ちの権利書を確認することになります。
ただ、不動産によっては、固定資産税などの税金が課されていないものもあるため、固定資産税の課税明細書にすべての不動産が記載されていないことがあります。
その為、市役所にて「名寄帳」を取得し、課税されていない不動産を確認することが重要です。
ただし、「名寄帳」は、請求する市や町の中の不動産のみしか記載されませんので、例えば市境に不動産を複数お持ちの場合などは、念のため隣の市にも「名寄帳」の請求をしておくことをお勧めします。
2024年10月1日から郵便料金が値上がりします。
郵送代84円と94円が110円になり、はがきが63円から85円になります。
84円切手の差額26円と、63円の差額22円の切手が発売されますが、その他の料金との差額は何枚も切手を貼る必要があります。
手元に残っている切手の使い方として、郵便局でゆうパックやEMSの送料や郵便料金別納の支払にも使えます。
贈与とは、「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」と民法に定められています。
一方の意思表示だけでは贈与は成立せず、贈与者と受贈者双方の意思表示と物の引渡しが成立要件です。
契約書などの書面がなくても成立します。
口頭で約束した贈与は、「書面によらない贈与」と呼ばれ、
民法では、「各当事者が撤回することができる。 ただし、 履行の終わった部分については、この限りでない。」と定められています。
相続登記の義務化などに伴い、被相続人が祖父母、曾祖父・曾祖母の代に当たる方の相続手続きを行うことも増えてきています。
しかしながら、何世代にもわたり放置されていた相続手続きは、非常に複雑で、適用される法律も、現在のものと異なるといったことも珍しくはありません。
代表的な例として、昔の法定相続分について、いくつか紹介しておきます。
①昭和22年5月2日までに被相続人が死亡した場合
戦前から続く旧民法が適用になります。旧民法は家督相続制度でした。
旧民法における「家」制度の下での相続です。家督相続では一人の家督相続人が、前戸主の一身に専属するものを除いて、前戸主に属する一切の権利義務を包括的に承継します。そのために原則として,法定家督相続人のみが前戸主の権利義務をすべて受け継ぎます。
※法定家督相続人になるのは,被相続人の戸籍にいた男子を優先し、その男子のうちでも年長者を優先順位者としました。子供に男子がいない場合は、女子が戸主となりました。
②昭和22年5月3日から昭和55年12月31日に被相続人が死亡した場合
下記の法定相続分が定められています。
相続人が子と配偶者の場合 子(全員で)2/3・配偶者1/3
相続人父母と配偶者の場合 父母(全員で)1/2・配偶者1/2
相続人兄弟姉妹と配偶者の場合 兄弟姉妹(全員で)1/3・配偶者2/3
③昭和56年1月1日以降に被相続人が死亡した場合
下記の法定相続分が定められています。
(昭和55年の民法改正(昭和56年1月1日施行)で、配偶者の相続分が引き上げられました。)
相続人が子と配偶者の場合 子(全員で)1/2・配偶者1/2
相続人父母と配偶者の場合 父母(全員で)1/3・配偶者2/3
相続人兄弟姉妹と配偶者の場合 兄弟姉妹(全員で)1/4・配偶者3/4
このように、被相続人がいつ亡くなったかで相続人も相続分も異なります。
ずっと昔に亡くなった人について相続手続きが未了の場合にはその亡くなったときの民法が適用になります。
このように複雑な相続手続きを行う場合は、一度、お近くの専門家にアドバイス求めたうえで、どのように相続手続きを行うべきかを検討することをお勧めします。