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2013.9.28

相続税申告における民法第900条第4項但書の違憲判決の取扱い

 民法第900条第4項の但書前段の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とする」の規定について平成25年9月4日に最高裁で違憲判決が出されました。

 この判決を受けて相続税の申告について次のように取り扱われます。

1.平成25年9月4日以前に相続税額が確定している場合
 平成25年9月4日以前に相続税の申告、決定や更正処分により相続税額が既に確定している場合には、違憲判決を考慮して相続税額を再計算することはできません。
 これは、既に確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさないという旨の判示がなされているため、既に確定した相続税の計算についてもこの判示の考え方による取扱いとなっています。

2.平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合
 ① 平成25年9月4日以前に確定した相続税額について、平成25年9月5日以後に遺産分割が確定した場合や財産漏れなどが生じた場合には、確定している相続税額に変動が生じるため、違憲判決を考慮して相続税額を計算します。

 ② 平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合には、①と同じく違憲判決を考慮して相続税額を計算します。

永井孝幸

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永井孝幸