アシスト合同事務所

スタッフブログ

スタッフブログ

2026.5.31

これって贈与⑦

母の四十九日の法要も終わり少し落ち着いたある日の午後、三人の子供たちが母が愛用していた思い出の品(着物、ネックレス、指輪、本、時計、眼鏡、趣味の品物など・・・)を前に話をしています。

子供A 「私はお母さんの着物を貰うね」 子供B「私は何もいらないけど、お母さんの親友だった甲さんに何か母の思い出として差し上げたらどうかな」 子供C「私が亡くなったら、この指輪は従妹の乙さんにあげてね。とお母さんは言ってたな・・」 三人の子供たちの会話は、いわゆる【形見分け】の話し合いです。

形見分けとは、「亡くなった人の生前愛用していた品物を個人と親しかった人たちに分けて、その品物を通して故人を偲び思い出を受け継いでもらう」という慣習です。

子供A、B、C 「形見分けって、もらった人に贈与税とかかからないのかな? 税金はどうなるのだろう」

人が亡くなり相続が発生しますと、その瞬間に亡くなった人の全ての財産は、亡くなった方の相続人の共有状態になり、相続人のものとなります。(具体的にどの相続人がその財産を相続するかは後日の分割協議で決まります。)したがって形見分けを税金の面でお話すると、①相続人の間で行われたのであれば、遺産の分割として相続税の対象、 ②相続人以外の人へあげたのであれば、いったん相続財産として相続人が相続人が相続し、その後で相続人から「贈与」で貰ったことになり贈与税の対象となります。

上記の例でお話しますと、母が愛用していた思い出の品(着物、ネックレス、指輪、本、時計、眼鏡、趣味の品物など・・・)はすべて相続財産として相続税の対象となり、その後の相続人でない、甲さん、乙さんへの形見分けは、相続人からの贈与であり、贈与税の対象となります。

形見分けそのものを贈与税の非課税とする規定はどこにもありませんので、ご注意ください。「形見分けは、慣習として行われてきたから贈与税などかからないだろう」との考えは通じません。

 

 

 

大和英樹

この記事を書いた人

大和英樹